乳がんサバイバーに運動がオススメな3つの理由

こんにちは。乳がんサバイバー向けに運動と食事の研究をしていますマンマリアツキジの奥松功基(おくまつこうき)です。



もともとは肥満の方を対象にダイエット研究をしていたのですが、2015年に母がステージ3の乳がんと診断され、それ以降は乳がんサバイバー向けの運動と食事の研究をしています。


これまでに乳がんサバイバー向けのダイエット教室や運動指導などをおこない、参加者は3か月で平均約5㎏のダイエットに成功しました。


また、乳がんの運動分野で先進的な取り組みをしているフランスのWHO等にも訪問し、乳がんサバイバー向けの最新情報を集めています。


あまり知られていないのですが、「運動」は乳がんの予後を改善する重要な働きがありますので、運動の代表的なメリットを3つ解説します。


①死亡リスクの減少

日本乳がん学会のガイドラインによると、1日に約30分運動している方は、ほとんど運動しない方と比べて死亡リスクが44%低いと報告されてます。

これは複数の研究を統計的にまとめたものであり、単発の研究結果よりも信頼性の高い情報です。

運動量の多い方がなぜ死亡リスクが低いかというと、十分な運動は死因上位である心疾患の予防に効果的であることなどが理由です。


②再発リスクの減少

アメリカ国立がん研究所のホームページには運動が乳がん再発予防に期待できる旨の研究が紹介されています。

世界的な医学雑誌でも、週に3~4時間くらいの運動をしている群は運動量の少ない群と比較して、乳がん再発率が43%低いと報告されてます。

一般的には1日に30分程度の運動(週に150分以上)が、乳がん予後を改善するために望ましく、自宅でYoutubeを見ながらの筋トレやヨガもオススメです。

1つ注意点として、十分な運動をしたからといって、絶対に再発リスクが0になる訳ではないため、運動以外にもバランスのとれた食事や禁煙も再発予防に重要になります。


③体力の向上

乳がんサバイバーに限らず一般論として、低い持久力は高い死亡リスクと関連します。

過去の研究をまとめた解析では、持久力が低い群の死亡リスクは持久力が高い群と比べて、約1.7倍高かったと報告されてます。

乳がんサバイバーの場合、抗がん剤などの治療の影響で持久力が低下することが報告されており、低すぎる持久力は、乳がん診断後の合併症を引き起こす可能性もあります。

幸い、乳がんサバイバーの場合でも運動を継続すると、持久力が着実に向上しますので、今から運動を新しく始めても十分に間に合います。持久力を上げる場合は特にランニングやウォーキングがオススメです。


今の持久力を簡単に測定する方法として、5分普通に歩いた道を、3分で走って戻れれば、目標値程度の持久力があることが期待されます。10分くらいで終わりますので、自宅周りの歩道や公園で試してみると良いかもしれません。


乳がんサバイバーの場合でも、運動を継続すると上半身の筋力も着実に向上しますので、筋力を上げたい場合は筋トレがオススメです。

これまでのケースだと、最初は膝つき腕立てがほとんどできなかった方も、運動を継続することで腕立て10回以上できるようになったシーンも見てきました。


運動は努力が報われやすい素晴らしい世界ですので、最近疲れやすさを感じている方や、健康で元気に過ごしたいという方に特にオススメです。


Twitterもしてますので、乳がん術後の運動や食事で気になる事がありましたら、お気軽にご連絡ください(^^)

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